地域の話題

松村浄さん 三郷で私塾 自ら考える姿勢育む

 安曇野市三郷温の元小中学校教員・松村浄さん(74)は、地元の野沢公民館で毎週木曜日の夕方、小学生向けの放課後教室「郷学校」を開いている。「子供たちの宿題をみてほしい」と保護者から頼まれて始めたボランティアの私塾で、4年目となる。夏祭りや防災訓練など地域の行事にも積極的に参加し、文化活動を通して心豊かに生きる力を育もうと、勉強を教えるだけにとどまらない活動に取り組んでいる。

 公民館は江戸時代に年貢米の収納倉「郷倉」だった場所で、明治8(1875)年には地元出身の歌人・務台伴語(1814―87)が開いたこの地方で最初の小学校「野澤黌(がっこう)」になった。「郷学校」の名称はこれらの歴史を踏まえている。
 毎週10人前後の児童が集まる。郷学校で大切にしているのは「自分で課題を見つけて学習できる子供を育てること」だ。子供たちは公民館に到着すると黙って自分の席に着き、宿題を始める。学校の授業時間と同じ45分間は私語を慎んで集中する約束だ。その後は隣の席の友達に分からないところを聞いたり、教えたりする。
 開校時から通っているという三郷小5年生の武田日葵さん(11)は「ここに来ると分からないところを先生や友達に聞けるし、宿題が進む。違う学年の人と遊べるのもいい」と笑顔で話していた。
 地域の行事では地元の人を講師に招くことが多い。8月の七夕まんじゅう作りでは、三郷郷土研究会の「郷土料理なでしこグループ」の女性たちに学んだ。保護者も一緒に取り組み、3世代で交流しながら地域文化に理解を深めた。保護者の横内友理子さん(34)は「郷学校は子供にとって良い経験の場。帰って来るといつも楽しかったと言う」と喜んでいた。
 松村さんは「お泊まり会などの行事では、子供たち自身が企画運営して手を出すところがほとんどない。自ら考える姿勢が育ってきている」と成長ぶりに目を細め「これからも共に考え、歩み、深め合う活動に取り組んでいきたい」と話している。

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