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小澤総監督不在のOMF閉幕 質の高さは変わらず維持

 国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)は7日、長野市で開かれた「子どものための音楽会」で閉幕した。有料公演は21日間で8プログラム8公演を行い、計9543人が来場した。総監督の小澤征爾さん(83)は胸椎圧迫骨折のため参加がかなわず、前身時代からの27回の歴史で初めて不在のまま全日程を終えた。音楽祭は小澤さんの人気に支えられてきた面もあり、真価を試される年となった。

 小澤さんは当初オーケストラ3公演で指揮を予定していたが、体調を考慮しチケット発売前に降板、開幕前に計画していた松本入りも見送った。
 降板の集客への影響が懸念されたものの、オーケストラ公演はいずれも9割を超える入場率となったという。「他の指揮者でも演奏家の能力は高い」(安曇野市、会社員男性52歳)、「充実したプログラムをとても気に入っている」(横浜市、会社員男性57歳)といった声があり、四半世紀を超える実績からサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)やフェスへの変わらぬ評価がうかがえた。
 SKOの初期からのメンバーでバイオリン奏者の矢部達哉さん(50)は「小澤さんがいない分、その存在の大きさを感じたが、共に積み上げてきた精神は簡単に消えない」とし、メンバーが例年通り高い意識を持って臨めたことに安どしていた。
 実行委員長の坪田明男・松本市副市長(77)も「SKOの実力を再認識できた」と手応えを話す。ただ一方で「総監督がいなければ全体のマネジメントが不十分になる」と懸念も口にする。「小澤さんが決めること」とした上で後継者の早期選定を課題とし、兼任だった指揮者とSKOを束ねるリーダーを分けて考えるべきとの見解を示した。
 坪田実行委員長は、今年は協賛企業が小澤さんの降板を理解した上で例年以上に支援したケースもあったと感謝し、質の高い音楽を届けることが今後のスポンサー確保にもつながるとした。SKOメンバーが松本に集う環境は市民が支えてきたことなどを挙げ「継続への土壌はできている」と力を込めた。
 小澤さんは7日、実行委員会を通じ「今年は松本に行けなくて本当に残念です。でも、僕の心はいつも松本にありました。来年は必ず行きます」とメッセージを発表した。

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