政治・経済

塩尻市長選の前哨戦 多選巡り攻防

  前哨戦が熱を帯びている16日告示の塩尻市長選挙は、5選を目指す現職の小口利幸氏(67)=塩尻町=に対し、新人の元塩尻市議会議員・平間正治氏(64)=大門田川町=が「マンネリ」と表現して多選批判を強めている。一方で、小口氏の陣営は「継続は力なり」と実績を強調し、4回全ての選挙で審判を受けていることなどから「多選批判は当たらない」と訴えている。

 平間氏は当初、「政策論争をしたい」として多選を争点にしていなかった。だが、あいさつ回りを重ねるにつれて「『小口さん、ちょっと長いね』という声を多く聞く」といい、多選批判を前面に出してきている。一方の小口氏は、信州Fパワープロジェクトの木質バイオマス発電所の稼働を支援し、林業再生に道筋をつけることに強い意欲を見せ、「5期目を集大成の期にする」と力を込める。
 平間氏は2日、吉田地区で市民団体が開いた集会で「市長が長くやると権限が集中し、ワンマンになり私物化される。都合のいい人が周りにいるようになり、本人に都合の悪いことは言わなくなる」と、多選の弊害を指摘した。
 小口氏も市政報告会で「職員たちと仲間意識ができ、甘くなってしまうのは否めない」と率直に認めながらも、各事業部長に権限を与える包括予算制度などを挙げ、「ほとんどの事業は職員に任せておけるレベルになっている」と自信を示す。
 両氏の政策に大きな違いが見えづらい中で、選挙戦の争点が最終的に多選の是非に絞られていく可能性もある。
 平間氏の事務所には「前進か、マンネリか」というキャッチコピーが掲げられている。平間氏は「(小口氏が)5期目に何をやりたいのか全く明確でない」と語気を強める。小口氏の陣営は4期務めた結果として県市長会長や北信越市長会長を務めていることを強調し、宇治正皓後援会長は「全国で塩尻市の存在感を高める絶好の機会。辞めさせては後退になる」と訴える。
 歴代6人の塩尻市長の中で4期務めたのは小口氏が初めてだ。市民タイムスが4年前の前回市長選で有権者200人に実施したアンケートでは、多選について29・7%が「よくない」、50・5%が「問題ない」と答えた。現職が5選を目指す今回の選挙ではこの割合がどう変化するのか、勝敗の行方に少なからず影響を与えそうだ。

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