連載・特集

2018.9.4みすず野

 「野分」とは、野の草を分けるように吹く強風を言う。強風が通り抜けたあと、田んぼの稲がきれいに右左に分かれて、なぎ倒されているのを見ることがある。野分は正確には、「二百十日」「二百二十日」ころに吹く強風や台風を指している◆立春から210日目が「二百十日」、220日目が「二百二十日」で、ことしは「二百十日」は9月1日、「二百二十日」は来週9月11日。漱石の小説に『野分』『二百十日』があるのを思い出す人もいるのでは。『野分』は明治40(1907)年に発表された、3人の作家にまつわる物語だ◆全国各地に伝わる風祭は、野分の被害から農作物を守るための祈願祭。有名な富山の「おわら風の盆」もその一つである。越中おわら節の哀切な旋律にのって、無言の踊り手たちが優雅な踊りを披露するという。一度行ってみたいと願い続けて、いまだかなわない◆さて、非常に強い台風21号が、きょう日本列島に上陸、日本海に抜けると予測され、中信地域も影響が心配される。スピードが速いため、急に暴風雨が起き、道路、河川、家屋、農作物等に被害をもたらす可能性がある。用心しなければ。

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