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OMFオケ公演、誇り胸に 全盲のジャズピアニスト、マーカス・ロバーツさん

 松本市で開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で、9月2日のオーケストラ公演(キッセイ文化ホール)に出演する米国在住の全盲のジャズピアニスト、マーカス・ロバーツさん(55)が30日、報道陣の取材に応じた。5回の来歴があり、総監督の小澤征爾さんの指揮降板に伴い急きょ決まった出演にも「これほどの誇りはない」と話す。初企画の特別支援学校を対象とする音楽会も控え、OMFやハンディのある子供たちに対する思いを語った。

 ロバーツさんにとって小澤さんは「音楽上で一番大事な方」で、クラシックとジャズを近づけることに取り組むよう勧めてくれたという。「彼が自分の音楽性をつくってくれたと言っても言いすぎではない」と感謝する。
 OMFではジャズトリオとして出演し、Cプログラムでガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム」変奏曲などをサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)と奏でる。小澤さんが不在の中「夢のオーケストラ」との共演に、「セイジのためだけでなく、音楽家としてここで皆さんと音楽をつくりたい」と意気込む。
 県内の盲学校、ろう学校、養護学校に通う児童生徒約200人が参加予定の「子どものための音楽会特別篇」は、31日にまつもと市民芸術館で開催される。小学校6年生と中学校1年生が対象の教育プログラムには参加しづらい子供たちに、気兼ねなく楽しんでもらおうと企画された。
 ロバーツさんは5歳で失明し、12歳で本格的にピアノを習い始めた。経験を踏まえ「皆がやっていることの輪の中に入れてもらうのはいいこと。こういう音楽会は本当にうれしいし、大事なこと」と力を込める。自らの音楽を通して「ハンディがあっても一生懸命やれば何でもできるということを分かってほしい」と願っている。