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障害者雇用 自治体が苦悩 松本・安曇野で法定率未達成

 一定割合の障害者雇用を義務付けた法定雇用率を巡って国の不正や県のミスが相次いで明るみに出る中、松本地域の松本、塩尻、安曇野の3市のうち、松本市と安曇野市・市長部局で6月1日時点の法定雇用率が未達成であることが、市民タイムスの調べで24日分かった。障害者枠を設けて職員を募集するなど努力はしているが、応募がなかったり離職されたりと、厳しい現実に直面している実態も浮かび上がった。

 「努力はしているのだが、なかなか達成できない」。松本市職員課の村山修課長はため息交じりに語った。今年4月に障害者枠で3人を採用したが、実雇用率は2・39%にとどまった。法定雇用率が29年度までの2・3%のままなら達成できていた数値だった。
 法定雇用率は、算定の基礎となる職員数に占める障害者数の割合で、国や地方公共団体は2・5%、教育委員会は2・4%となっている。今年4月にそれぞれ0・2%引き上げられ、達成のハードルがさらに上がった。民間企業の場合は2・2%となっている。
 安曇野市は教育委員会で達成しているものの、市長部局の実雇用率が1・90%で、27年度から4年連続で未達成となっている。職員の新規採用に障害者枠を設けて募集しているが、職員課は「応募がない」と嘆く。
 厚生労働省・長野労働局がまとめた29年の県内の障害者雇用状況によると、6月1日時点で法定雇用率2・3%(当時)が適用されている市町村など109機関のうち、達成したのは78%に当たる85機関にとどまる。
 地方自治体は民間企業に比べ「率先して障害者を雇用するべき立場にある」(松本公共職業安定所)が、現実は厳しいようだ。関係者は「雇用条件の良い他の仕事に流れて定着しないことや、障害者ができる仕事を確保できるかという問題もある」と指摘する。職員となった後で障害者手帳などの交付を受ける状況になっても「知られたくない」と考える職員もおり、プライバシーへの配慮で提示を呼びかけるのも難しい面があるという。
 松本公共職業安定所によると、地方自治体が法定雇用率を達成していない場合、労働局の幹部職員が直接指導しているほか、障害者職業センターと連携して障害者ができる仕事を提案・指導する「職域開発」をする。
 塩尻市は市長部局も教育委員会も29年度まで未達成だったが、30年度に達成した。