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大桑・科野さんの愛車 免許返納で第二の人生

 昨年秋に運転免許証を自主返納した大桑村須原の科野八重さん(90)が最後に愛用した軽トラックが、思わぬ「第二の人生」を送り、科野さんを感激させている。近くの車好きの会社員・小林竜二さん(29)が譲り受けて大切に使い、サーキットデビューまでさせた。「廃車に、と思っていた軽トラが出世しちゃった」と驚き「うれしくて涙が出ちゃう」と大喜びだ。

 科野さんの長女と近所付き合いがある小林さんが、免許返納で不要になる車を譲り受けたいと申し出た。趣味を生かし、シートやハンドルをレーシング仕様にし、コーナーを横滑りで駆け抜けるドリフト走法ができるように自分で改造した。
 7月に岐阜県瑞浪市のサーキットでイベントを主催し、他の出場者のスポーツカーに交じってドリフトを披露したところ「観客が大盛り上がりだった」という。
 科野さんは昨年9月に免許返納し、50年にわたった車との付き合いを終えた。軽トラは平成19年に新車で購入したマニュアル車で、畑仕事、買い物、ドライブと愛用した。今も小林さんの家の前を通ると軽トラに「大切に使ってもらってよかったね」と声を掛け、なでるという。「不思議なもので、手放してから命があるような気がしてきたの」と愛着を語る。
 小林さんは軽トラを日常的に使っていて「エアコンも利くし、よく走る」と、大切に使われていたことを感じ取る。外観をあえてそのままにしており、車体には科野さんが張っていたシルバーマークの跡が残る。「これからも大切に乗っていきたい。サーキットでも走らせていきたい」と愛情を注いでいる。