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満州志願兵の手記発見 笹賀の高山さんが父の遺品で

戦争に関する記述があった住所録を手にする高山さん

 戦時中に志願兵として旧満州(現在の中国東北部)に渡った松本市今井の山本大六さん(故人)が、終戦直後の出来事を克明に記した手記が見つかった。山本さんの長女の高山和子さん(74)=松本市笹賀=が今夏、遺品の住所録に父の筆跡で戦争に関する記述があることに気付いた。敗戦により中隊長が自決する様子が克明に書かれており、当時を知る貴重な資料といえそうだ。

 山本さんは平成6年に77歳で亡くなったが、生前に戦争について語ることはほとんどなかった。松本市今井の農家に生まれ、貧しい家庭を助けるために10代半ばで満州に渡った。満州で戦闘に巻き込まれた傷が原因で傷痍軍人となり、帰国後は今井西原の開拓地で農業に従事した。
 山本さんの手記は、A4サイズの住所録の間に2ページほどにわたって書かれていた。満州で一緒に過ごした軍人「松浦友好中隊長」の記述がみられる。昭和20年9月17日、松浦中隊長が自決して責任を取ることを表明し、「おれは平素の修養ができていないので失敗するかもしれない。介錯を頼む」といい、傍らの軍人に拳銃を求めて自決したと書かれている。
 山本さんは昭和21年10月に家族と一緒に満州から引き揚げた。戦争のことは語らなかったが、高山さんが引き揚げについて訪ねた際には「多くの幼い子供が船から落とされて死んだ」と涙ながらに語ったという。高山さんは「戦争を語らなかった父が残してくれた貴重な資料。何度も読み返し、平和への思いを新たにしている」と話していた。