教育・子育て

はぐルッポ子供支援5年

 松本市で、さまざまな事情から学校に通うのが困難な小中学生や高校生らに居場所を提供している「子供の支援・相談スペース はぐルッポ」が、事業開始から5年を経過した。悩みを抱えた子供の"よりどころ"として定着し、利用者も増えて認知や理解が進みつつある。一方、居場所は手狭になるなどの課題も出ている。

 当時の市教育委員で運営団体代表の西森尚己さんが発起人となり、福祉の観点も踏まえて市こども部を窓口に、旭3の女鳥羽川に面した平屋の旧教員住宅(57平方㍍、昭和40年建設)に、平成25年5月に開いた。県地域発元気づくり支援金を活用して始まり、現在は市から年間328万円の委託料を受けて運営する。毎週水・金曜日の午後を中心に開き、スタッフ3、4人と信州大学の教職課程を専攻する学生も協力する。
 子供らはゲームや外遊びなど基本的に自由に過ごす。やりたいことにスタッフが寄り添う「考えて行動できる場所」として、子供の要望から「勉強する日」や「スポーツする日」を設け、茶道体験や人工壁を登る「ボルダリング」もできるようにした。4年通う中学3年生の女子(14)は「好きなことができて自由を感じる。友達もできた。今は行きたい高校もある」と話す。
 本年度は6月末までに子供32人が利用し、保護者ら大人49人が相談などに訪れた。昨年度の利用者は、初年度に比べ子供は3・3倍の67人、大人は4・1倍の124人。子供の延べ人数は3・4倍の1009人となった。医療機関からの紹介も多く、発達障害がある人が大半を占める。利用者増に伴い、現在地の近くで適地があれば移転の考えもある。開設日の増加を望む子供の声もあるが、スタッフ不足で難しい状況だ。
 市の不登校やひきこもり対策としては、学校復帰を目的とした小中学生向けの「中間教室」が山辺(平成4年開設)、鎌田(同10年)、波田(同7年)にあり、年間40~60人が利用する。中間教室がある中で、はぐルッポの開設を疑問視する声もあったが、28年度までには学校長の判断で通所が学校の授業出席と同等に認められるようになった。
 不登校の子供が不利益を被らないよう、本年度から市教委の担当者がはぐルッポとの連絡を密にし子供の活動実態把握と情報共有に努めている。西森さんは「子供の声を聴いて進化し続けたい。子供が立ち上がる場所でありたい」と話す。