連載・特集

2018.8.1 みすず野

 映画「黒部の太陽」と言えば、現在の安曇野市出身の映画監督・熊井啓の大作だ。「世紀の難工事」とされた黒部ダム(富山県立山町)建設の苦闘を、大町から黒部に抜けるトンネル工事に関わった男たちの物語として描いた◆日活のスター石原裕次郎、東宝のスター三船敏郎が、当時の映画会社の頑固な協定を打ち破って初共演し、30代の熊井も監督人生を懸けて作り上げた。昭和43(1968)年の公開から50年になる。黒部ダムは日本一の高さ186㍍を誇り、貯水量2億㌧の水力発電専用ダムである。総工費513億円、延べ1000万人が工事に携わり、171人の犠牲者を出して、昭和38年に完成している◆「黒部の太陽」は、裕次郎にとって最も思い出深い映画となり、三船も「ダムに注ぎ込んだ日本人の魂が、乗り移った」と述べた。大町市、関西電力などが上映50年を記念し、きょうからJR信濃大町駅前、関電トンネルトロリーバス駅等で、記念イベントを開く◆夏の観光地として人気の黒部ダムだが、名物のトロリーバスは11月末で運行を終え、来春からは電気バスに変わるという。久しぶりに足を延ばしてみるか。