教育・子育て

松本の親子 満蒙開拓の歴史学ぶ

 「平和を創る」事業を進める松本市の小学生と保護者を対象にした「親子平和教室」が29日開かれ、4組約10人が下伊那郡阿智村の満蒙開拓平和記念館などを訪れた。参加者は展示を見たり引揚者の証言を聞いたりして、県内から全国最多の約3万3000人が開拓移民として旧満州(現在の中国東北部)に送られた苦難の歴史に触れ命や平和の尊さについて考えた。

 記念館には戦後に焼却命令があったが密かに保管され現存する戦争関連ポスターや、移民の手紙、写真など貴重な資料約60点が並ぶ。教師として義勇軍に中学生を送り出した宮川清治さん=松本市=の証言文書もあり、親子が見入った。
 昭和14年に11歳で入植し同21年に帰国した「語り部」の原千代さん(84)=下伊那郡豊丘村=の話も聴いた。原さんは、現地召集され行方不明の父親に思いをはせつつ「孫やひ孫に同じ苦しみは味わわせたくない。戦争を知らない若者が平和の日本をつなげて」と願った。近くにある、中国残留孤児の帰国支援に尽力した山本慈昭さん(故人)が住職を務めた長岳寺も訪れた。
 寿小学校5年・高藤奏君(10)は「豊かな生活になると思って満州に行ったのに悲しかったと思う」と想像した。旭町小4年・田辺美咲さん(9)は「国と国がけんかをする戦争は嫌い」と言い、母親の希理子さん(43)は「平和について考える糸口に」と話した。
 親子平和教室は市の「平和都市宣言」30年の節目の平成28年度に始まった。本年度はもう1回、8月12日に市文書館で子供向け講座があり、同館特別専門員の小松芳郎さん(68)が、松本からの満州移民について講話する。