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ニジェールで35年間医療に従事 谷垣さん夫妻悼み企画展

 信州大学医学部OBで、アフリカのニジェールで35年間にわたり医療に従事し、昨年3月に75歳で亡くなった谷垣雄三さんと松本市出身の妻・静子さん(故人)の追悼企画展が8月4~10日、松本市あがたの森文化会館で開かれる。学生時代の仲間が企画し、妻が趣味で描いていた絵画の展覧会を故郷で開催するという谷垣さんの願いを実現させるとともに、ニジェールの医療に尽くした谷垣さんの足跡を写真で紹介する。

 谷垣さんは昭和54年に企業の調査団の嘱託医としてニジェールに滞在し、3年後にJICA(国際協力機構)の医療専門家として静子さんを伴い再び渡った。私財を投じて病院を建設し、JICAの任期が切れた後もNPOなどの支援を受けながら治療と外科医の養成に力を注いだ。松本地域からも包帯の代用品となるタオルを集めて現地へ送っている。
 静子さんは平成11年に急性脳性髄膜炎で亡くなった。谷垣さんは一度も帰国しないまま異郷の地で死なせてしまったことを悔やんでいたといい、静子さんの妹にあてた妻の死を伝える手紙には、自分の死後に日本で展覧会ができるよう作品をまとめた旨を記していた。
 企画展の開催は、谷垣さんが学生時代に所属していた信大ワンダーフォーゲル部の仲間が、谷垣さんの死後に手紙の内容を知ったことがきっかけとなった。「帰れなかった静子さんに代わり絵だけでも里帰りしてほしい」と支援団体に働きかけ、JICAを通じて現地に保管されていた絵画16点が届けられた。
 同部OB会「波里美知会」と信大医学部同窓会「松医会」が共催する。谷垣さんの写真は学生時代から現地を訪ねた支援団体が撮影したものまで、約160点を大小27枚のパネルにまとめて展示する。
 医学部の同期でOB会会長代理の畑日出夫さん(76)=山梨県甲斐市=らが20日に松本市役所で記者会見し、「谷垣君が静子さんを思う展覧会としてどうしても(気持ちに)応えたかった。まねできないことをした谷垣君についても知ってほしい」と話している。
 入場無料。午前10時(4日は午後1時)~午後5時(10日は午後3時)。月曜休館。7月23日~8月3日は信大病院でも展示する。