政治・経済

朝日村のヤマメ養殖再興へ 協力隊・山田さんが準備、村も後押し

修繕の作業が進む養殖施設

 朝日村の特産品として親しまれながら、携わる人がいなくなったヤマメの養殖が再び始まる。名古屋市出身で、下伊那郡根羽村で川魚の養殖に携わった経験がある山田喜孝さん(60)が、廃業した人の施設を借り、「朝日せせらぎ山女魚園」として事業を起こす準備を進めている。村は20日、山田さんを地域おこし協力隊員に任命し、取り組みを支援する。

 御馬越の鎖川右岸にある約1000平方メートルの施設を借りた。大小12個のコンクリート張りの養殖池(計約480平方メートル)や建屋などがあり、池の半分程度を修繕して使う。所有者が理解を示し、年内は無償で借りられる。
 山田さんは幼い頃から魚が好きで、家業の飲食店を釣具店に衣替えし、釣りのプロとして活動したこともあるという。建築会社勤務を経て知人が経営する根羽村の養殖業に加わり、3年間ほど、アマゴの養殖や販路開拓などに従事した。
 松本市の知人の家族に、朝日村に使われていない養魚施設があると聞いた。これまでの仕事の多くで魚にかかわってきたことを踏まえ「目前に川がある環境で暮らせる」と考えて施設使用を申し出た。
 村内ではかつて、村外からの客に塩焼きにして振る舞う家庭があるなどヤマメが親しまれ、キャンプなどで来た人が買い求め、焼いて食べることもあった。鎖川上流沿いで2業者がヤマメ養殖をしていたが、5年ほど前までに休業・廃業した。
 村は産業としてのヤマメ養殖復活を目指す考えで、山田さんを協力隊員にすることで各種支援ができる。中村武雄村長は「村民にはヤマメが特産品という意識がある。山田さんが頑張れば朝日のためにもなる」と期待する。
 山田さんは7月上旬に針尾に移り住んだ。早ければ来春にも稚魚を入れ、来秋の販売開始を目指す。魚を買った人たちが、喜んで食べる姿を見るのが好きだといい、キャンプ場向けに内臓を取るなどの加工をしての販売や、イベントでの出張販売などのアイデアを温めている。「村の支援がありがたい。期待に添えるようにしたい」と張り切っている。