政治・経済

お城外堀活用策探る 街中に1万平方㍍の空間

芝生を張った平面整備のイメージ。広大な空間が生まれる

 松本市が松本城南西側で用地買収を進めている南・西外堀の復元方針を変え、外堀の範囲を平面的に示す「平面整備」に手法を切り替えることで、中心市街地に約1万1000平方㍍(西側市道を含む)の新たな空間が生まれることになる。10日の発表後、市民から困惑の意見が聞かれた一方で、方針転換を前向きに捉えた意見も多く、イベント活用など平面整備の内容に関心が高まっている。

 松本城管理事務所によると、平面整備の方向性として、史跡としての価値が分かる整備に加えて、市民や観光客が広く使えることを想定している。「まちづくりの中で重要な場所になるのは間違いない。利活用のあり方を検討していく必要がある」としている。
 南・西外堀は西堀通りからも近く、主に観光バスが利用する平面駐車場が西堀通り沿いに11月に移転・利用開始となることで、新たな観光客の流れができる可能性もある。
 松本商工会議所の井上保会頭は市民タイムスの取材に「中心市街地にまとまったスペースが生まれることを前向きに捉えたい。『外堀公園』などとして桜を植え、花見ができるようにするも一案ではないか。住民や観光客が憩える場所として活用を」と語った。
 方針が平面整備に変わっても、平成36年度末の事業完了目標に変更はない。あるベテラン市議会議員は「実現までにまだ時間があるので、みんなで知恵を出し合ってより良い場所にしていくべきだと思う。芝生にすれば幅広く活用でき、良いイベント会場になるのでは」と期待した。
 遺構の範囲を平面的に示す平面整備は全国的に見ても特別というわけではない。金沢市の金沢城公園は絵図に基づき、外堀の一部を砂利と芝生で示す「遺構表示」で対応している。この部分の外堀が市道に部分的に掛かっており、金沢城・兼六園管理事務所は「道路を開削して復元するのは都市交通上問題があるため」とする。
 平面整備への期待感の一方、外堀復元という当初の目標を変えた事業に困惑を隠せない関係住民もいる。事業対象地に住む女性会社員(59)は「何年後かに外堀復元ができるかもしれないと言われても、平面整備は中途半端」と指摘した。