連載・特集

2018.7.8 みすず野

 初回リードオフマンの打球が外野フェンスをひとまたぎ。黄一色に染まった右翼スタンドで歓喜のあまり、前列席の見知らぬ人の頭を平手でぴしゃりとやってしまった思い出がある。たたかれたおじさんも笑顔だった◆球場が沸く先頭打者本塁打を夏の高校野球長野大会で2年続けて放った人がいたのか。小紙連載「白球ハイライト」を読み、サッカーも楽しいけれど「やっぱり野球はいいな」と昭和世代はつくづく思う。1試合に最多の18奪三振や5併殺といった球史に輝く記録を打ち立てた元球児たちの鮮明な記憶と、その後の人生に残る余韻がつづられていた◆地道な練習の積み重ねと仲間の支えが実力を培い、運をも引き寄せたのだ。無安打無得点を成し遂げた人は「たまたま出た記録で一人でできるものでもない」と対戦相手にまで敬意を払った。その「謙虚すぎる」姿勢に学びたい◆きょう100回目の長野大会が開幕する。中信勢が甲子園切符をつかめるか。記事には有力校や"台風の目"が挙げられていた。他の運動部の応援を得て単独での出場にこだわったり、昨夏と同じ相手に雪辱を期したり。夏の熱球譜に期待したい。