連載・特集

2018.7.16 みすず野

 「夕涼み」とは、暑い夏の日の夕暮れ、その暑さがようやく和らいだひととき、縁側や戸外で涼をとること。美しい日本語の一つと思う。戸外だから扇風機もエアコンもなく、団扇であおぎつつくつろぐ。近くに縁日でもあれば、散策に出かける◆そんな夕涼みを愉しみたい。心が通じ合える人と共有できるなら、生きていることがうれしく、愛おしくなるのではないか。「生涯のいつが倖せ夕涼み」(和田ひさ江)。「浴衣」はその字のごとく、大昔は入浴の際に用いた単衣。湯帷子の略である◆民間に浴衣が普及したのは、室町時代の終わりから江戸初期にかけて、盆踊りが盛んになってからという。縁日の夜店などで見かける、女性の浴衣姿は情緒がある。子どものそれはかわいらしいし、男性も悪くない。「浴衣着て少女の乳房高からず」(高浜虚子)。もう一句「綿菓子に顔を隠して浴衣の子」(大串章)◆実行委員会主催の「ゆかたキャンペーン」が、きょう開幕し、オープニングイベントが午後4時から松本駅前広場で行われる。一足早い松本駅前盆踊り、みんな浴衣で楽しく踊ろう、だそうだ。浴衣に親しむ絶好の機会では。