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死者送る安曇野の風習紹介 豊科郷土博物館で企画展

 安曇野市豊科郷土博物館は30日、葬式をテーマにして死を見つめる夏季企画展を同館で始める。野辺送りでひつぎを墓地へ運ぶ「輿」を飾ったり、魔よけの鎌を立てた土葬の墓地を再現したりして、昭和30年代まで安曇野で営まれていた葬式を紹介する。解説用のパネルや写真を多数展示し、死を迎えるのも葬式を行うのも自宅だった時代、安曇野の人がどのような考えの下で死者を送ったかを説明する。8月26日まで。
 博物館は「人の一生」と題した企画展を毎年行っており、第3弾は「葬式」を選んだ。主に臨終から三十三回忌までの習俗を順に解説した。死が近づくと霊魂を呼び戻そうとするのが「タマヨバイ」で、安曇野では屋根に上がり、じゅばんや腰巻きを振って「戻ってこーい」などと呼んだ。死後に枕元に供える「マクラダンゴ」は、生の米粉を練って固める団子で、左手で練った。  葬式は庚申講仲間と呼ぶ隣近所や多くの人の協力で成り立ち、野辺送りの葬列もさまざまな役があったことを写真やイラストで紹介している。ふた付きの「座棺」を本来よりやや大きめに造って展示してあり、来場者は中に入ることができる。  安曇野では親の四十九日に、子供や分家した親族に「位牌分け」をする習俗があったといい、位牌の材料は紙や白木など家によって異なっていた。宗派、宗教にかかわらず、盆には安曇野の各地から市内西部(穂高牧)の満願寺へ「ホトケムカエ」に行くのも特徴的だ。宮本尚子学芸員は「安曇野では死後は魂が西に行くという考えがあった」と話している。  7月28日には満願寺の周辺を歩くイベント(定員20人)を開く。8月10日は博物館で夜間開館(ナイトミュージアム)に合わせて肝試しを行う。  企画展は高校生以上100円。午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは豊科郷土博物館(電話番号0263・72・5672)へ。