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道祖神の松 惜しまれ伐採 穂高 松くい虫被害で

 安曇野市穂高の旧千国街道沿いにあって地域の人から「道祖神の松」と呼ばれて長年親しまれたアカマツが、線虫によって木が枯れる「松くい虫被害」に遭い、惜しまれつつ伐採された。かつて根元に道祖神がまつられ、地域のシンボル的存在でもあっただけに、伐採作業を見守る住民たちは写真に収めるなどして名残惜しげだった。

 菓子店・丸山菓子舗の前にある高さ6メートル、直径40センチほどのアカマツで、道祖神は道路拡幅に伴い20メートルほど西に移されている。一昨年から松枯れの兆候が現れたという。同店が薬剤処理を施したが、効果がなかった。道路に枝が落ち始めたため、地域の人とも話し合って伐採を決めた。
 26日に地元の建設業者らがチェーンソーで約2時間かけて切り倒した。前日には穂高神社の神職を招いて神事も営んだ。伐採を見守った近くに住む二木良子さん(87)は「お嫁に来たときから見ていた。道祖神のために植えられたのだと思う。枯れてしまったとは言え、寂しい」と惜しんだ。
 丸山菓子舗の会長・丸山茂さん(78)によると、創業当時に撮られた写真にこの松が写っており、樹齢は100年以上とみられる。丸山さんは「幼い頃は登って遊んだ。店の目印でもあった。松は無くなったが、これからも孫たちに写真で見せて伝えていきたい」と話していた。