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松本サリン事件、ぬぐえぬ恐怖 きょう発生から24年

発生から24年が経過した松本サリン事件の現場

 松本市の住宅地に猛毒の神経ガス「サリン」がまかれ死者8人、重軽症者約600人を出した松本サリン事件は、27日で発生から24年となる。社会を震撼させたオウム真理教による無差別テロの現場となった住宅街は静けさを取り戻し、事件を知らない新しい入居者も増えた。時がたち記憶が薄れる現状がある一方で、遺族の悲しみや被害者の苦しみが癒えることはなく、当時の恐怖をぬぐえずに暮らす住民も多い。

 平成6年6月27日深夜、松本市北深志1の住宅街でサリンが噴霧された。当時、地裁松本支部で続いていたオウム真理教松本支部道場の明け渡しを巡る訴訟で教団が不利な判決を避けるため、北深志1の地裁松本支部の官舎が狙われた。事件の裁判では、教団元代表の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚が指示し、サリンの威力を試した組織的な無差別テロと認定された。松本サリン事件、地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件の刑事裁判は今年1月、開始から22年で終結した。
 「聞いたことがないほどの大きなサイレンが鳴り響いた」。近くに住む女性(67)は事件当夜の様子を鮮明に記憶している。夜中に多くの人が声を上げて行き交う混乱した光景を「忘れることはできない」。
 現在の現場周辺は、時折車や歩行者が通る程度で、日中でも静けさが漂う。あの日の「非日常」を少しも感じさせない日常があるが、地元に長く暮らす男性(73)は「事件後に生活が一変してしまった人が大勢いる」と指摘する。思い出すと今でも胸が痛み「あんな事件は二度と起きてほしくない」という思いを強くしている。