地域の話題

車屋堰の生き物を冊子に 島内の住民が調査してまとめる

 松本市島内の島内町町会で環境保全活動に取り組む住民でつくる「島内・町地域総合環境向上協議会」(濱幾郎代表)は、地域を流れる車屋堰に生息する水生生物や地域の文化財をまとめた冊子を作った。「地域の宝」を次世代に受け継いでいこうと、地域自慢の清流にすむ生物について調査した結果を中心にまとめた。カラフルで見やすい冊子に仕上がり、町会の「記録誌」として残すだけでなく、子供たちの教材としても活用していく。

 冊子はA4サイズのフルカラー58ページで『町町会の"宝"「川に生息する生物と文化財」』とタイトルを付けた。車屋堰や近くの水田に住む40種の水生生物を写真付きで紹介し、絶滅危惧種・スナヤツメなどは1ページを使って説明している。小学生向けにふりがなもふってある。
 同町会では、自然豊かな堰周辺を地域の「宝」と位置づけてきた。当初はその「宝」に住む水生生物だけをまとめる予定だったが、「町会に数多くある文化財も『宝』だろう」との意見があり、多彩な「宝」を伝えようと、冊子の後半に島内地区内47カ所の文化財も写真付きで載せた。
 車屋堰は崖下堰が途中から合流する全長約1・2キロの用水路で、昭和30年ころまでは飲み水としても使っていたという。湧水を水源とし、住民らがこまめに手入れして昔ながらの環境を保っている。
 協議会は車屋堰の生態系を把握しようと平成25年に水生生物の調査を始めた。調査結果を回覧板で知らせたところ、島内小学校から3年生が行う崖下堰での生物調査に協力してほしいと依頼があった。子供たちが楽しそうに生物の名前を聞く姿を見て、調査結果を教材としても使える冊子にまとめることにした。
 平成28年に協議会の6人で編集委員会を立ち上げた。委員長を務める高島芳人さんを中心に、編集会議を重ねて内容を検討してきた。写真がない生物は研究機関から使用許可を取って載せた。
 冊子は町会の全225戸に配布するほか、島内小学校や島内図書館などにも寄贈する。濱代表は「宝物は磨かなければ光らない。今の自然の素晴らしさを知り、守る意識を持ってもらいたい」と願っていた。