地域の話題

木曽の伝統工芸品を現代風に 酒だるサーバー開発

 木曽の伝統工芸品のたる・おけで、地域おこしをしようと画材製造業のマルオカ工業(木祖村薮原)社長・湯川泰征さん(71)と、たる販売などを手掛ける木曽路青空工房(上松町荻原)代表・山本勝己さん(64)が、地酒やワイン3升(約5・4リットル)を保管でき、器に注げる酒だるサーバーを開発した。古来、酒の仕込み・熟成に木おけが使われており、酒だるサーバーを使えば昔ながらの熟成が楽しめるという。今後、家庭用に1升(約1・8リットル)の容量に小型化を進め、来年の販売開始を目指す。
 県産スギを使った日本酒用と、県産ミズナラを使ったワイン用を試作した。直径、高さが約25センチで、下部に注ぎ口が付いている。木の香りやあくが酒に移らないよう、内側は木曽の伝統技法の漆塗りで仕上げた。  湯川さん、山本さんは1年半ほど前に知り合った。いずれも地元産業の活性化に向け、地酒やおけ・たるの活用を模索する中、2人の構想が一致し、酒だるサーバーの試作を進めた。昨年10月以降、各地の催しで木曽の地酒を入れた試作品で酒を提供しており、大きな反響があった。伊那市の焼酎メーカーからも問い合わせが来ているという。  たるを締めるたがの開発など、販売に向けての課題は残っているが、湯川さんは「酒だる文化が再び広がれば、低迷する国内林業の再生、木工業の再興にもつながる」と期待する。山本さんは旅館でのたる酒の提供や「ふるさと納税」の返礼品としての活用を提案する。再来年は東京五輪が開催され、訪日外国人旅行者の増加も見込まれる。山本さんは「酒だる文化を世界に発信したい」と話している。