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生坂の宝・加藤正治の生家「一星亭」後世に 文化財登録へ調査

国の登録有形文化財への登録を目指す一星亭

 生坂村は、上生坂区にある村出身の法学者・加藤正治(1871~1952)の生家「一星亭」を後世に残すため、国の登録有形文化財への登録を視野に入れた調査に着手する。財政の厳しい村では単独での改修や修繕が難しいことから、国の補助を活用して明治期に建てられたとされる木造建築の保存を目指す。開会中の村議会6月定例会に調査費約190万円を盛った予算案を提出している。

 加藤は上生坂の平林家に生まれ、池田町の小学校に通った。明治30(1897)年に東京帝国大学を卒業し、日本郵船副社長だった加藤正義氏の養子となった後に独仏留学を経て、同大学法科の教授に就いた。近代日本法学の権威で、中央大学の初代総長も務めている。「犀水」の号で俳句の宗匠としても活躍した。村では住民有志と近親者が顕彰会をつくり、自筆の句集などは村商工会館内にある加藤正治博士頌徳館で保管されている。
 生家は生坂中学校の西隣に位置し、木造一部2階建て延べ485平方メートルの母屋と土蔵4棟、納屋1棟がある。所有者の申し出を受けて昨年、村が約650万円で購入した。
 登録有形文化財は、歴史的な価値が認められた築50年以上の建造物を文化財として登録し、保存活用を図る制度だ。登録されると、必要な修理などの設計監理費や、地域活性化に関わる事業費に国の補助が得られる。
 一星亭は建物全体に傾きがあり、耐震改修に加え、床や屋根などを修繕しなければならない。村は将来、村内を周遊できる観光地の一つにしたい考えもあり、市川廣美教育長は「多少の投資をしても残したい。生坂で生まれた偉人の生家を後世の人材育成に生かせればありがたい」と話している。