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御嶽山頂の小屋・二の池ヒュッテが来月開業 女性が新オーナーに

 御嶽山(長野・岐阜県境)山頂部にあり、平成26年の噴火災害後は休業していた山小屋・二の池新館が7月中旬、「二の池ヒュッテ」として営業を再開する。奥秩父(長野・山梨県境)にある山小屋の小屋番を務めていた高岡ゆりさん(45)=木曽町福島=が新たなオーナーとなった。高岡さんは「女性の目線を大切に、温かな雰囲気に満たされた旅館のような山小屋にしたい。わたしはさしずめ『おかみさん』」と意欲を語る。

 高齢となった前オーナーが山小屋の譲渡先を探していることを報じた昨年4月の新聞記事を目にしたのが、御嶽山に目を向けるきっかけとなった。矢も盾もたまらず6月には御嶽山に登っていた。「とても魅力的な山だと感じた。このまま山小屋を使わずに朽ちさせてしまうのはもったいない」と決意、前オーナーとの面談を経て、今年5月、山小屋の所有権の移転手続きに入った。
 今月上旬、かつて新館の運営を仕切っていた王滝村在住の「元番頭」に小屋開けの作業手順を教わりながら準備を始めた。新たな番頭や友人も手伝う。
 屋内には噴火時の灰が残り、食堂の壁に掛かる白板には当時の宿泊客の名前が記されていた。高岡さんは「あらためて身が引き締まる思いを感じた」と話す。屋根を貫通した噴石が室内に残っていたが「噴火の怖さを伝えたい」と、そのままの状況で残すことを決めた。
 高岡さんは調理師の資格を持つ。「おいしい料理で宿泊客の疲れを癒やしたい」とレシピを充実させたい考えだ。「豆炭こたつで地酒を楽しみながらの夕食。薪ストーブもほしいな」と笑う。「七夕には浴衣姿でおもてなし」と、女性ならではのアイデアは尽きない。
 ヒュッテから歩いて2~3分の場所で「二ノ池本館」の建設を進める木曽町の原久仁男町長は「御嶽山の振興にとって(新館の営業再開は)ありがたい」と歓迎する。今月1日、これまで住んでいた山梨県から木曽町内に住所を移した高岡さんは「(山小屋がある)地籍は(岐阜県)下呂市でも私の生活圏は木曽。地域の方々と連携しながら御嶽山復興の役にも立ちたい」と願っている。