地域の話題

天蚕エメラルド糸 繍仏に 穂高の古田さん夫妻

 安曇野市穂高有明の天蚕農家・古田清さん(73)、春江さん(70)夫妻が独自に品種改良した青みの濃い天蚕繭「安曇野エメラルドグリーン」の糸が、奈良市の法相宗大本山薬師寺が復元している布地の仏像「繍仏」の刺しゅう糸に選ばれた。大講堂の壁面に掲げられる横9メートル、縦6メートルの大きな繍仏の一部に使われる。完成すれば、全国から集まる薬師寺の参拝客が光沢優美な天蚕糸を目にすることになる。

 「安曇野エメラルドグリーン」は、突然変異のようにごくまれに見られた小さな繭を、古田さん夫妻が改良を重ねて3年前に完成させた繭で、緑色をした通常の繭よりも青みがある。この繭から取れた生糸が、刺しゅうで描かれる如来像の光背の部分に用いられる。
 関係者によると、復元中の繍仏は、はるか昔に大講堂とともに焼失した。大講堂は平成15年に再建され、繍仏は5年ほど前から東京で復元作業が進められている。縫い手が1年前、天蚕の視察に古田さんの飼育林を訪れ、青い繭を見たのがきっかけで話が持ち上がり、依頼を受けた古田さんが繭約250個分の生糸を提供した。春江さんは「すごく光栄で、励みになる。多くの人に天蚕糸を見ていただくことでお世話になった天蚕飼育の先人たちに恩返しができれば」と話した。
 繍仏について薬師寺長老の松久保秀胤さんが話す講演会が19日午後2時半から、国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)のあづみの学校玄関ホールで開かれる。通常の入園料で誰でも聴講できる。手仕事文化の継承に取り組む「安曇野クラフトゲート匠の杜」が主催する。問い合わせは古田春江さん(電話080・1010・0981)へ。