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まつもと大歌舞伎 本公演初日に1100人

 隔年開催される信州・まつもと大歌舞伎(実行委員会主催)の本公演「切られの与三」が12日、松本市のまつもと市民芸術館で初日を迎えた。6回目を数え、古典に現代的な要素を交えた同館芸術監督・串田和美さんの演出で中村七之助さん、中村梅枝さん、中村扇雀さんらが熱演し、心待ちにしていたファンら約1100人を魅了した。

 美男美女が出会いと別れを繰り返す江戸世話物の人気作「与話情浮名横櫛」を原作とし、七之助さんが立役(男役)の主人公・与三郎、梅枝さんが相手役のお富を演じる。2幕の有名な再会の場面では「しがねえ恋の情けが仇」の名せりふが飛び出し、与三郎が島流しとなった3幕冒頭では市民キャスト17人が流刑になった罪人の役で盛り上げた。松本の店や施設の名が出てくる一幕もあった。
 伝統的な見えを切る場面の一方で、ダンスのような動きを取り入れたり、追っ手から逃げる与三郎が客席を駆け回ったりと、趣向を凝らした芝居で観衆を引きつけた。松本市の女性(39)は小学生の長男(7)と鑑賞し「子供に見せたくて連れてきた。初めてだけれど、印象的な演出で現代の音楽も合っていた」と話していた。
 18日まで計8公演を予定している。