連載・特集

2018.6.13 みすず野

 あれほど敵対視し、罵詈雑言を浴びせ合っていた両者が、これほど一気に距離を縮める、ということが実際にあるのだと、史上初の米朝首脳会談を報じるNHKテレビの画面を見つめながら、不思議な感じを抱いていた。そこに至る周到な準備があったのだろう◆会談後、一つの机について合意文書に署名する際、手慣れた感じのトランプ米大統領のしぐさに、北朝鮮の金正恩委員長はちらちら目線を送り、握手を交わすときのにこやかな顔は、紅潮しているように映った。米国務長官は前日、「検証可能で、不可逆的な非核化(CVID)を求める。それだけが受け入れられる唯一の結果」と述べていた◆会談で、北朝鮮にそれを認めさせることができたのか。トランプ大統領は、素晴らしい関係が築け、今後何度も合うことになるとし、「金委員長は揺るぎない決意を示した。速やかに非核化することに合意した」と述べた。しかし、CVIDの履行を約束するまでには至らなかったようである◆日本の拉致問題も含め、これからが大事だと思った。北朝鮮が本気で非核化に着手し、国際機関の査察等も受けるのか、注視していかねば。