連載・特集

2018.6.12 みすず野

 子供の頃の通学路を歩くと不思議な感覚に包まれる。いつも声を掛けてくれたおばさんの鮮魚店が駐車場になっていたり、銭湯の煙突が消えたりといった風景の変化に加え、校門へと続く塀や遊び場だった境内の前で「こんなに低く、狭かったっけ」と◆その通学路がとみに物騒だ。安曇野市で登校中の小学生が刃物を持つ男にけがを負わされ、他に付きまといと疑われる事案もあったと保護者へ注意喚起の連絡が回った。新潟市で下校中の女子児童が命を奪われる事件が報じられたばかりだったので、肝を冷やした◆学校と自宅をつなぐだけの道ではない。道端の草花や水たまりの薄氷に季節を感じ、歩きながら友情と地元愛を育む。安全対策をいま一度チェックしたい。危険箇所があれば改善に努め、子供らに「大声で叫ぶ」「すぐ逃げる」と防犯の心得を繰り返し教えよう◆黄色の旗を横断歩道で掲げる光景や、そろいのベスト姿で見回る住民ボランティアの活動に出合うと頭が下がる。散歩やジョギング、畑仕事で汗をかく人もいる。通学路の風景がいい思い出となるよう、一人でも多くの大人が子供の目線で見守っていただきたい。