政治・経済

観光振興へ民泊に活路 新法が来月15日施行

 住宅に旅行者などを宿泊させる「民泊」の条件などを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が来月15日に施行される。法の施行により、衛生や安全を確保した上で県へ届け出れば、自宅の空き部屋を利用して民泊事業を行うことが可能になる。民泊事業者の届け出は現在、全県で4件にとどまっているが、機運が盛り上がり宿泊需要が高まれば、届け出が増えることも見込まれる。
 県食品・生活衛生課によると、新法の施行が1カ月後に迫った16日現在、民泊事業者の届け出は、麻績村、長野市、北佐久郡軽井沢町、上水内郡小川村から各1件にとどまる。ただ、民泊の問い合わせは全県で約100件(うち県松本保健福祉事務所には約20件)寄せられていることから、関心は低くはないとみられ、奥原秀一課長補佐は「事業として成立するか見極めようとしている人も多いのでは」と話す。営業制限などの詳細を定めた県条例の施行規則が今週中にも公表されることから、同課は今後、届け出が徐々に増えるとみる。  新法の施行が迫り、民泊を観光・地域振興のチャンスとして捉える動きも出てきた。松本市四賀地区では、住民有志数人が民泊事業者の組織化を模索している。  発起人で農業を営む小峰悦雄さん(66)=松本市中川=は、子供が独立して空いた自宅ログハウスの一室を活用した民泊を年内に始める。民泊と農業体験を組み合わせて、四賀に滞在する人を増やしたいと構想する。「四賀地区では10年で人口が1000人も減ってしまった。住民と訪れる人の交流を盛んにして地域を盛り上げたい」と意気込む。  県によると、新法の施行前でも、県内全域で約400戸が民泊を営んでいると推計される。ただ、無許可のまま実施している事業者も多いとの見方もある。新法により一定のルールが設けられることになり、松本ホテル旅館協同組合の小林磨史理事長は「ルールに基づいて営業する民泊は、同じ宿泊業に携わる仲間。一緒に松本の観光を盛り上げていきたい」と話している。

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