みすず野2026.3.23
2026/03/23
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庭木にシジュウカラがやって来る。しばらく見当たらない日が続いて、久しぶりにその姿を見るとほっとする。子どもの頃に名前を覚えてから、その姿形が気に入って、枝にとまる姿があるとうれしい◆「街に緑がすくなくなったせいだろうが、松や紅葉、槙などが雑然と並んでいるわが家の小さい庭を、いろんな小鳥が訪れる」と、俳優の沢村貞子さんは記す(『わたしの茶の間』光文社文庫)。塀越しの電線にとまり羽を休める。2羽でも5羽でも一定の間隔をあけて並ぶ。なぜ◆ある夜のテレビ番組でその理由を知る。混乱を避けるために、互いの縄張りを尊重しているからだと。生きるために必要なだけの広さを、自分の縄張りとして大切にしているらしい。「ライオンや熊なども、ねぐらを定めるとき、互いの領分を侵さないことで、無用の争いを避けている、という」◆さて「私たちはどうかしら。そういう自然のルールを守っているだろうか」と問う。人間社会の縄張りという言葉になんとなく抵抗を感じるのは「そのための争いが多すぎるせいだと思う」。他国を侵略したり武力攻撃したり。学ぶべきは小鳥の知恵かもしれない。




