2026.3.22 みすず野
2026/03/22
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桜色はほのかに色づく淡い紅色を指す。紅染の中で最も淡い色だそうだ。『365日にっぽんのいろ図鑑』(玄光社)による。「桜は、日本では古くから田の神が降りる依り代として崇められてきた特別な木」とも◆甲府で富士山を背景にして満開の桜並木を眺めたことがある。日本を代表する山と花が、互いに負けないぞと主張し合っているような景観だった。それぞれ譲らぬ美が、けんかではなく調和をして美観をつくり出していて息をのんだ。もう何年も前に見た景観だが、この時期になるとまぶたの裏によみがえる◆無論、松本にも劣らない桜の名所が多くある。国宝のお城と共演する桜は、全国から眺めに大勢が押し寄せる。安曇野を潤す用水路の拾ケ堰の脇にある、じてんしゃひろば(安曇野市三郷明盛)で咲く桜は、背景の雄大な北アルプスとあいまって壮観だ。多くの人がとっておきを持っているのも桜の面白いところ。有名、無名を問わず、それぞれにお気に入りがあって、毎年見頃を楽しみにする◆日本各地から桜の便りが届き始めた。松本ももうじきに堅いつぼみがほころび始めそうだ。桜色に染まる日が待ち遠しい。



