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2025年

2026.3.9 みすず野

2026/03/09
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 「一年に一日だけでよいから、自分の休日というものを、勝手に決めてしまったらどうだろう」という提案を、数学者の森毅さんがしている(『森毅ベスト・エッセイ』ちくま文庫)◆「今の世の中では忘れられているが、自分だけのために、自分の一日を取り戻す、せめて一年に一度の祝日だけでよいから、自分を国家や会社や学校からとり戻す、それはとても大切なことのような気がする」と。それにこれはイデオロギーや国に関係なくできる。「いや、交戦中の軍隊だけはできないか。やはり、平和がいいなあ」◆国や会社や学校が決めたことに反抗するだけでは芸がない。それよりも大事なことを、勝手にささやかに、一つだけ加えておこうという提案だ。決められたことより決めたことのほうが大事であり、会社や学校、国家より自分のほうが大事だということを、それは象徴していると◆「そうした象徴的行為が意味を持つような時代が、近づいてきている気がする」と40年ほど前に書いた。連続テレビ小説で流れる「日に日に世界が悪くなる」という主題歌を毎日うなずいて聴きながら、そんな時代は近づいたのだろうかと考える。

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