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2025年

2026.2.28 みすず野

2026/02/28
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 昼夜の寒暖差が激しく、体調管理が難しい。気温は冬と春を行き来するが、日の光の強まりは春の訪れを感じさせてくれる。『広辞苑』に春の日の光を「春日影」と呼ぶと教わる。この場合の「影」は月影や星影同様に「光」を意味し「陰」ではないそうだ(『雨と風と光の名前』北山建穂著、みらい)◆ふと、日脚がだいぶ伸びたことに気付く瞬間がある。夜のとばりが降りる前、外の全ての景色が青く色づく。時計に目をやると、ちょっとした感動がある。冬至のころとは明らかに日の落ちる時間が違い、本格的な春の訪れも遠くないことを知らせてくれる◆正岡子規に「車上の春光」という随筆がある。歌人で小説家の伊藤左千夫の自宅を訪ねる話で、到着までの人力車から見た景色が生き生きと描かれる。「今年になって初めての外出だから嬉しくてたまらない」。病を患っていた子規にとって大変貴重な時間だった。でも無理がたたったのだろう。外出後に「熱が四十度に上った」と結ばれる◆朝日の光は「晨光」「曙光」とも呼ばれる。夜明けを迎えて差し込む光は希望が感じられる。まさに明けない夜はないを実感するときだ。

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