2026.2.25 みすず野
2026/02/25
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「4月中旬並みの陽気」と、3連休中の小紙の見出しにあった。驚くほど暖かかった。まだ早い、暖かいといっても2月、顔を出すなどあり得ないと何度も打ち消しながら、我慢できず、連休最終日に里山を歩いた◆フキノトウである。毎年採れるのは1カ月ほど先だから、到底無理だろうとは思うものの、上着などいらない陽気に誘い出された。今年は雪がない。日陰にも全く残っていないので、楽しみにしていた動物の足跡は見つからない◆春が来る度に足を運んでいる場所に、フキノトウは見当たらなかった。そうだろうなと思いつつ、雑木林を抜けてくる風の暖かさに、今年は少し早めに顔を出してくれるかもしれないと期待する。道端の枯れ枝を拾ってつえ代わりにしながら、あの香りを思い出して歩いた◆「初物を食べると75日長生きする」という俗信は全国各地に数十の事例があると『日本俗信辞典食物編』(花部英雄著、角川ソフィア文庫)に載る。「その季節に初めて採れた穀物、野菜、果物、魚介類などを貴重なものとして神に捧げ、そのお下がりを頂く」という縁起を担いだ儀礼に基づくそうだ。春の恵みが待ち遠しい。



