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2025年

2026.2.21 みすず野

2026/02/21
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 春に東のほうから吹く風の「こち」。冬に吹いていた北や西からの風が向きを変えて春を告げる。漢字で書くと「東風」で難読に入るのではないか。文学では『拾遺集』に収まる菅原道真の「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」が思い出される◆吹く時間帯で呼び名が変わると『広辞苑』に教わる。朝に吹けば朝東風、夕方に吹くと夕東風。東風は春の季語で『よくわかる俳句歳時記』に例句が載る。「夕東風のともしゆく燈のひとつづつ」木下夕爾。解説によると、昭和21(1946)年に発表された句で、戦争の時代を経て平和な生活の尊さを静かに訴えている◆春に吹く風に春一番もある。長野気象台によると、立春から春分までに初めて吹く暖かい南よりの強い風を指す。地方ごとに条件が定められ気象台が認定する。対象期間に春にならなかったりなっていたりの気象状況の関係で甲信は北海道や東北、沖縄県とともに発表が行われないそうだ◆そよそよと吹く暖かい春風を待ちわびる。他方、強風吹き荒れる春の嵐には気をつけたい。特に今年は火災に注意が必要とされる干支の丙午。用心に抜かりなく。

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