2026.2.20 みすず野
2026/02/20
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横になろうとすると、時々ふくらはぎがつるようになった。加齢のためかと思ったが、作家の多和田葉子さんは、子どもの頃、朝目が覚めてつったという(『言葉と歩く日記』岩波新書)。「足がつる」ことを意味する「こむらがえり」という単語のあることを後に知って、その怖い響きに魅せられたという◆思わずうなずく。「ふくらはぎ」はふっくら、おっとりした言葉で「おはぎ」と同じ。でも「こむらがえり」は「耳にした途端に『キツネ憑き』方面に向かう電車に乗ってしまったような気分にさせられる」のだと◆ドイツのラジオ局の女性から野外で取材を受ける。近くで何かを拾った子どもが「何だこれは?」と言う。女性は日本語が少しわかりこの説明を求める。「これは何だ」を倒置した疑問文だと説明。ただ非難を帯びた驚きを表すことが多く、プレゼントをもらって「何だ、これは」と言わないほうがいいと説明したと◆取材でもこうした言葉の使い方をすることがある。質問内容をより深化させたい場合や、相手があまり乗り気ではなさそうにみえる時。不愉快にさせる恐れはあるが、それでも知りたいことがあるからだ。



