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2025年

2026.1.24 みすず野

2026/01/24
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 松本市の弘法山古墳は半世紀前に、他に例を見ないスピードで国史跡に指定された。県内にとどまらず、東日本最古(当時)の古墳だと判明したからだ。全く予期していないことだった。考古学会がざわめいたのもうなずける◆推定の築造年代は古墳時代初期の3世紀末。土器や青銅鏡、鉄剣といった出土品から年代を割り出した。約1700年前の人々が残して、今に引き継がれる。もしも、自分の作ったものが1700年後の人に大切にされていたら。古代の人は、そんな想像をしただろうか。ロマンがある◆昭和57(1982)年に史跡公園として整備された。今は古墳としてより桜の名所ですっかり名高い。山肌をピンクの花が覆う姿はきれいで眺める人たちを魅了する。他ではあまり見られない光景ということで、花が盛りを迎えると遠くからも大勢が訪れる。植樹作業に当たった人たちの発想や努力も忘れてはいけないだろう◆出土品は平成5(1993)年に県宝に指定された。松本市立考古博物館で見学できる。同館は2月末までは土、日曜日、祝日のみ開館。古墳頂上からの眺めと合わせ見て、いにしえに思いをはせたい。

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