2026.1.16 みすず野
2026/01/16
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1月は半分過ぎたが、今年初めて会う人と交わすあいさつは、やはり「明けましておめでとうございます」になる。それから話が弾む人がいる一方で、話題を見つけなければと慌ててしまう相手がいる。あいさつの類いは難しい◆「昔の中国人もしたたかに現世で苦しめられたせいだろうか。マーマーフーフーという挨拶を編みだした」と作家の開高健は書いている(『開口閉口』新潮文庫)。漢字で書くと「馬々虎々」。見方によっては馬にも虎にも見えるというところだと◆「どうもどうも」「まずまず」あたりに相当する言い方。「曖昧の領域のなかで息づくしかないことは多いのだし、その領域は拡大されるいっぽうなのだから、こういう知恵は尊重したいものである」と結ぶ◆谷川俊太郎さんに「ごあいさつ」という短い詩がある。「どうもどうも/やあどうも/いつぞや/いろいろ/このたびはまた/まあまあひとつ/まあひとつ/そんなわけで/なにぶんよろしく/なにのほうは/いずれなにして/そのせつゆっくり/いやどうも」。フォーク歌手の高田渡さんは曲を付け歌った。20歳そこそこ。世の中へのあいさつのように。



