0000日(木)
2025年

2026.1.15 みすず野

2026/01/15
後で読む

 「小正月」は15日、または15日の前後3日ほどをいうと、辞書や歳時記にある。15日は平成11(1999)年まで「成人の日」だった。国民の祝日だから多くの企業や学校は休みになる。それが1月の第2月曜日に変わって、小正月の風情が急速に失われたと思っている◆演出家で小説家だった久世光彦さんは、一戸建てに暮らすようになり、子どもの頃、父親と祝日は門に日の丸を掲げたことを思い出す。どこの家にも日の丸が揺れていた。「成人の日」が変更になる2年前、思い立って日の丸を門に掲げたが、どこの家にも日の丸がないことに驚く◆昔を思い出すと、祝日に父はやはり日の丸を家の前に立てていた。近所もそうで、いつ頃まで続いていたか思い出せない。旗に付いていたさおと玉を覚えている。平成の時代には、もうどこの家でも見られなくなっていたような気もする◆久世さんは「このごろは、《紺碧の空に翩翻と翻る―》などという文章を誰も書かなくなった。日の丸が朝の町から消えて、《翩翻》も死語になった」(『むかし卓袱台があったころ』ちくま文庫)と書き留めた。小正月という言葉も消えるのだろうか。

関連記事