2026.1.9 みすず野
2026/01/09
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雪の結晶を写真で見ると、その美しさに驚かされる。『新編空を見る』(ちくま文庫)には写真家の武田康男さんが青い板に受けて撮影した樹枝状や鼓状、扇状の結晶が載る。よく見ると、樹枝の一枝が正確に左右対称になっているわけではないが、全体的にはきれいな対称を描いている◆同書で気象予報士の平沼洋司さんは結晶を日本で最初に観察して記録に残したのは、江戸時代の下総国古河藩(現在の茨城県古河市付近)の殿様、土井利位で「オランダから手に入れた顕微鏡を使って雪の結晶をスケッチした」という。天保3(1832)年に著した『雪華図説』と続編で183の結晶を描いた◆その約100年後の昭和11(1936)年、北海道大学の中谷宇吉郎が世界で初めて人工の雪の結晶を作る。結晶を見れば上空の気温や温度がわかることから「雪は天から送られた手紙である」という名言を残した◆昨日、松本は一時雪が強く降った。通勤距離が長いので雪が降りはじめると気になる。一昨年、大雪で幹線道路が通行止めになった日は、帰宅するのに往生した。天からの手紙はまとまると厄介だ。結晶はあんなに美しいのに。



