2025.12.23 みすず野

　仕事にもよるが、時間をはっきり区切って働く職場は、休憩時間が決められている。短期間だがそうした職場に配属されたこともあり、休憩時間の使い方の大切さを初めて知ったことを思い出す◆ライターの永江朗さんは建築現場の職人の働き方を見て「どんなに忙しくても、午前一〇時の休憩、一二時の食事、そしてふたたび午後三時の休憩と、きちんと休んでいるのがわかる」という（『こぽこぽ珈琲』河出文庫）◆それは「たぶん、休憩することで緊張をほぐし、気分を入れ替えるのだろう。働きっぱなしでは、かえって効率が落ちるし、注意力も低下して、事故やケガが増えてしまう」と説く。ライターだって休憩は大事で、お茶の時間は先人の知恵ではないかと語る◆高校、大学が冬休みに入るこの時期はアルバイトと決めていた。休み時間は昼食を取っている時だけというきつい仕事があった。そうかと思えば、大学の先輩が始めた古本屋の店番は１日中座ったまま。客は誰も来ず本が読み放題だった。この時期、多くの職場が多忙を極める毎日だろう。そんな時こそ、ちょっぴり時間をとって温かいお茶を。さてもうひと頑張り。