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2025年

2025.12.22 みすず野

2025/12/22
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 カボチャが日本にもたらされたのは天文年間(1532~1555)とされているそうで、明治時代には食べられていたはずだ。だが昭和4(1929)年に刊行された矢部善三著『年中事物考』には、冬至に食べるものの中にカボチャが含まれていないと民俗学者の小川直之さんは指摘する(『日本の歳時伝承』角川ソフィア文庫)◆冬至カボチャは戦中から戦後にかけて一気に広がり「その栄養素から有効性が喧伝されたのではなかろうか」という。文化庁が昭和30年代末に行った調査では、冬至の食べ物として、カボチャのほかに長野県の一部ではコンニャクがあった。「冬至にこうしたものを食べると夏病みをしないとして、翌年の夏まで効力があると伝えている場合もある」そうだ◆カボチャから連想されるのは、以前なら馬車になって城に連れて行ってくれるシンデレラの物語だろうか。いまは真っ先にハロウィーンを挙げる人が多いのでは◆きょう冬至。小川さんはカボチャを食べるのは中風よけや風邪よけにというのが一般的だったという。多くの年中行事には病気よけの食べ物が伝えられているとも。今夜はカボチャを食卓に。

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