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2025年

2025.12.14 みすず野

2025/12/14
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 クリスマスツリーがお目見えしたと、弊紙の紙面にちょくちょく載る。幼児たちが飾り付けている写真を見ると、自然に頬が緩む。クリスマスが国民行事となって久しい◆昭和23(1948)年12月14日、日本仏教連合会の幹部でもある参議院議員が内閣に質問書を出した。駅のクリスマスデコレーションは宗教活動で「国及びその機関の宗教活動を禁じる憲法20条に違反しているのではないか」と(『昭和100年今日は何の日』河出書房新社)。当時は国鉄。街の明るい雰囲気に水を差すような質問書だが、大真面目な意見だったのだろう。内閣は翌日、運輸省に注意指令を出し、20駅でツリーの取り外し作業をしたという◆時代のすう勢をあらためて思う。80年足らず前、クリスマス飾りに、もの申す国会議員がいたのだ。ネットがあれば炎上したに違いない。社会の移り変わりようにも思いをはせる◆撤去の話には続きがある。翌々17日、ツリーは装飾の一つで宗教活動ではないとの見解を運輸省が出す。閣議も見解を了承して、再びツリーが飾られたという。終戦から3年。駅に飾られたツリーは、多く人の心を潤したことだろう。

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