2025.12.2 みすず野
2025/12/02
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今年も紙面で「師走スケッチ」が始まった。12月は一年を締めくくるとともに、新たな年を迎える準備の月。昔から続く行事やしきたりなどが、現在も引き継がれている◆これから、しめ縄作りを教える講習会の記事が載るようになる。何度も取材をして、度々一緒に作りませんか、とお誘いいただいたが、丁重にお断りした。参加者は手作りしたしめ飾りをそれぞれで持ち帰るが、完成できずに主催者に迷惑をかけるとわかっていた◆地区の役員として仕方なく講習会に参加したことがある。主催者の一員だったので不参加というわけにいかない。地元のお年寄りの指導で作ろうとしたのだが、心配したとおり完成しなかった。わらをなったり、ねじったり、しでという白い紙をはさんだり。その全てがうまくいかなかった。同じような不器用な参加者もいてほっとしたことを覚えている◆しめ縄は「その場所が神聖な場所であることを標示する。縄を張るのはそこに邪悪なものが侵入することをふせぐ力をもつと信仰されたせいだ」(『見立て日本』松岡正剛著、角川ソフィア文庫)という。年末に縄手通りの露店で買うことになりそうだ。



