2025.11.13 みすず野

　朝の出勤時にすれ違う子どもたちが手袋をしているのに気がついた。首には防寒用のネックウオーマーを着けた姿もある。この間までは半ズボンだったのに。出社して腰を下ろすと、椅子の冷たさに驚く◆「投稿フォトプラザ」の作品が増えるのは、桜を中心とした春の花の時期と秋の紅葉の盛り。毎日暖色に彩られたさまざまな作品が届く。山々や渓谷、湖や公園、寺など紅葉の名所はもちろん、散歩道や農園などの風景があり、その目配りの幅広さにうなる◆「落葉道二度聞きとれずもう聞かず」。昭和５５（１９８０）年生まれの藤井あかりさんの句。落ち葉の句を探していて見つけた。俳人の小川軽舟さんが『名句水先案内』（角川書店）で取り上げている◆登場人物は二人。「歩きながら相手がぼそっと何か言った。聞き返したがまた聞き取れなかった。まあいいか、とほほえんで済ます。二人の心の動き、二人の間に流れる空気が、落葉を踏む響きとともに読者に伝わる」と。足元でかさこそいう音が聞こえてくるようだ。どんな葉だろう。イチョウの少し重い葉はきっと違う。街路樹だったらモミジやハナミズキが似合いそうだ。