2025.11.11 みすず野
2025/11/11
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長野道から昨日の朝見えた景色は、信州スカイパークのやまびこドームが背にした山の紅葉だった。いつの間にか秋色になっていた。松本インターの木々も見事に色付いている。朝日に赤い葉が輝いていた。芝も黄色くなり、秋の深まりを教えてくれる◆運転中、車のフロントガラスに赤い葉が2、3枚降るように当たって飛んでいった。道路脇には同じ色の葉がうっすらと積もっていた。こんなふうに季節を実感するのはうれしい。もう冬が近い◆「色鳥や書斎は書物散らかして」は山口青邨の句。『俳句歳時記』(角川書店)によると色鳥は秋に渡ってくる小鳥のうち、マヒワやジョウビタキなど、色とりどりの美しい鳥の総称で秋の季語。春に渡ってくる鳥はさえずりが美しいが、秋に来る鳥は姿の美しさが詠まれてきたという◆俳人の堀本裕樹さんは「作者は、東京帝国大学工学部助教授の学者として、書斎人としての秀句をいくつか残しています」(『俳句の図書室』角川文庫)と解説する。「色鳥と散らかした書物とを取り合わせることによって、色彩に富んだモザイクのような趣」が出ていると。そんな小鳥を見つけられるだろうか。



