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2025年

2025.9.28 みすず野

2025/09/28
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 子供のころに比べ、実感として少なくなった物の一つに、道端の清涼飲料の自動販売機がある。移動手段が徒歩や自転車から自動車に変わったため、そう感じるのかとも考えた。が、違うと分かった◆全国的だが、日本自動販売システム機械工業会(東京都)によると、清涼飲料の自販機は平成17(2005)年をピークに減少へ傾く。17年に228万200台あった同自販機は、令和6年には197万6200台に。19年間で13・3%(30万4000台)減った。多少の地域差はあっても、おおむね松本地方にも当てはまるのだろう◆清涼飲料の自販機というと、松本市出身の写真家・吉村和敏さんが先頃刊行した作品集『ハッピードリンクショップ』を思い出す。長野県と山梨県に点在する自販機群1044カ所を3年半かけて撮影し、一冊にまとめた労作だ。自販機群に日本の風景の美を見いだしての行動だった◆小学生のころ、学校の帰り道で缶ジュースを買ったことがある。禁止だったが、4キロを歩くなかで喉が渇いて、どうしても我慢できなかった。自販機は「学校でダメって言われていない?」と問うことなくありがたかった。

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