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2025年

2025.9.27 みすず野

2025/09/27
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 山では、里より一足も二足も先に紅葉が見頃となる。松本市安曇の乗鞍高原からシャトルバスで登り、終点となる「日本一標高の高いバス停」の畳平や、その下方の位ケ原山荘付近は、例年10月初旬にピークを迎える。同山荘のブログ(日記風サイト)をのぞくと、今季もここにきて紅葉が進んでいるようだ◆もう何年も前になるが当地の美しい紅葉を目の当たりにしたときの感動が、いまだに忘れられない。ナナカマドの赤、ダケカンバの黄がハイマツの緑に映え、見渡す斜面が奥の裾野のほうまで絵の具箱をひっくり返したような景色に息をのんだ。雄大な乗鞍岳を背景とする構図も含め、足を止めてはカメラのシャッターを切った◆過日の弊紙に、日本気象協会の今季1回目の紅葉見頃予想が載り、上高地は平年に比べて遅い10月中旬とあった。標高を踏まえると、乗鞍高原も同じくらいだろうか◆正岡子規は「日光の紅葉」(花の名随筆11 十一月の花、作品社)で「春の花は見るが野暮なり、秋の紅葉は見ぬが野暮なり」と書いた。凡人の筆者は、どちらも「見ぬが野暮」な気がするが…。粋に紅葉狩りへ山まで足を運びましょう。

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