0000日(木)
2025年

2025.9.20 みすず野

2025/09/20
後で読む


 弊紙で小林貴子さんが連載している俳句講座で過日、すっきり晴れた日をいう季語「秋うらら」が紹介されていた。漢字で書くと秋麗で、「しゅうれい」と音読することもあり、暑くなく寒くもなく気持ちのよい天候の日との解説もあった。温暖化で残暑が長引くなかで、そのような日がなかなかない◆小林さんの解説に、秋がつかないで「うららか」だけになると、春の季語だとも教わる。やはり、のどかな晴天の日を指すそうだ。まさに連載の題名通り「季語って楽しい」と思った◆気象庁のデータだと、松本の9月の平均気温は昨年が24.6度、おととしが24.3度で、統計が始まった明治31(1898)年の18.5度と比べて、随分高くなった。ちなみに明治32年は16.7度だから、やはりこの時代の9月は、暑くなく寒くもなく気持ちのよい天候の日が多かったのだろう。俳人たちも気候に誘われるように、気分よく秋麗の季語で、一句ひねったことが伺える◆温暖化がうらめしい。とはいえ「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざもあり、昨日は気温が秋めいた。秋麗の言葉がぴったりとはまる、空の高い爽快な秋の日を待ちわびる。

関連記事