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2025年

2025.9.11 みすず野

2025/09/11
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 スマホがなかったころ、取材に出た記者と連絡を取るのは、立ち寄りそうな場所に電話を入れるのがほとんど唯一の手段だった。記者は移動する度に、どこにいるかを報告。時々は電話をして連絡事項があるか確認していた◆その手段は公衆電話。行動範囲内のどこにあるかをおおむね把握していた。担当している警察署に顔を出すと、会社から電話があったと伝えられ「サボっているとばれちゃうよ」などとからかわれたのを思い出す◆その後、ポケットベルを携行するようになると、面倒な連絡は必要なくなったが、呼び出されたときにかける電話は公衆電話。小銭を常に用意する習慣は続いた。携帯電話の登場で、その必要もない。気がつくと公衆電話の場所はもうわからない◆きょうは「公衆電話の日」。明治33(1900)年のこの日、東京の新橋駅と上野駅の構内に設置された。非常時にはスマホなどに比べてつながりやすいという長所がある。通話を終わり、電話ボックスの外で待つ人に「お待たせしました」と初めて言えたとき、少し大人になった気がした。上京して、100円硬貨が使える黄色の公衆電話が登場したころだ。

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