2025.9.2 みすず野
2025/09/02
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月が変わっても暑さは続く。その対策も兼ねてこの夏はスイカをよく食べる。松本市には波田というスイカの名産地がある。見るからに立派な大きさのスイカはそれだけでうれしいが、もうそんなには食べられない。パック入りを少しずつ味わっている◆スイカは漢字だと西瓜。これは中国語でも同じ。南瓜、冬瓜、絲瓜、苦瓜、黄瓜、甜瓜は、日本語だとカボチャ、トウガン、ヘチマ、ゴーヤ、キュウリ、メロン。「すべての語が、植物分類上の身分を示す『瓜』の字を共通して持つ中国語バージョンのほうが、ある種数式のように整然とした印象を与える」と、中文コラムニストの新井一二三さんはいう(『青椒肉絲の絲、麻婆豆腐の麻』筑摩書房)◆「瓜の中でも最も存在感が強いのはスイカのようで、瓜皮帽というと、半分に切ったスイカの皮に似た帽子。明、清、中華民国時代に流行した男性用」。今も後ろに弁髪状のおさげが付いたおもちゃ版が土産品として売られている◆随分前に買ったが、帽子独特の雰囲気があり、かぶると香港映画の登場人物になったような気分になる。ただ残念なことに、これをかぶって人前には出られない。